|
亜急性期(病院のリハビリテーション)
この時期になると、多くの場合、意識もはっきりしてきて、身体障害を合併している人でも車いすなどに座れるようになります。訓練の種類も、寝返り、起き上がり、立ち上がりなど、少しずつ活動度が上がっていきます。
高次脳機能障害に関しても、意識障害があるうちは、高次なんだか低次なんだかわからなかったのが、おぼろげながらでも問題点が見えてきます。そして、神経心理学的検査という高次脳機能障害の検査も行える段階となります。しかし、一見、意識の障害がなくても、患者さんはとても疲れやすく、神経疲労(易疲労性)の状態にあるということを、忘れてはなりません。
易疲労性が強い時に、認知症の検査「ミニ・メンタル・ステート・エグザミネーション」をやったとします。
「今日は何月何日ですか?」「さあー、何月何日だったかねぇ」「何曜日ですか?」「さあー、何曜日だったかねぇ」
「ここは何県ですか?」「そんなこと聞いて何になるのかい?」「じゃあ、何市ですか?」「もう、勘弁してくださいよー、何だか眠くなってきちゃった。ふぁー、あぁぁぁ‥‥」「‥‥‥」
結果、MMSEは30点満点中0点。この検査は、20点以下が認知障害と診断されますが、この患者さんが認知障害とはとても思えません。
神経心理学的検査に乗らない患者さんに、こちらの都合でムダな検査を強いるのは、患者さんにとってストレスにしかなりません。過度なストレスは、ときに高次脳機能障害を悪くしてしまうことがあります。
易疲労性が強い状況では、ムリをせず、できないことを責めるのではなく、できることをほめるポジティブな行動支援が適切です。動けない人に対し、だらしがないと言うのではなく、「自分から動けないのは易疲労性という症状が原因で、本人のせいではないというスタンスをとりましょう。
「いまはまだ発症間もないので、脳が疲れやすくて、意欲も集中力も落ちやすい。でも、だいぶ起きていられるようになってきているので、疲れたら休むということを繰り返し、根気強くやっていこう」と‥‥。
|