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鎖骨骨折(さこつこっせつ)

鎖骨骨折のほとんどは、転倒や肩への直接的な外力により起こり、鎖骨のたわみや第1肋骨の破損を伴います。骨折部位により遠位端骨折、中3分の1骨折、近位端骨折の3種類に分類されます。

近位端骨折の場合、転位がある時は手術による固定が必要です。転位がほとんど無い時は、中3分の1の骨折と同様に鎖骨バンドによる治療となります。

鎖骨骨折の骨折部位は中央3分の1が大部分を占めます。特に小児に多く発生しますが、どの年齢層においても頻度の高い骨折です。

鎖骨骨折が発生しますと、首に近い方の骨片は胸鎖乳突筋にひかれて上方へ、肩に近い方の骨片は上肢の自重と三角筋の筋力により下方に転位します。鎖骨は肩甲帯を支えるつっかい棒のような役割がありますので、骨折部で重なり合って1~2cm短縮し、肩幅が狭くなります。

診断は、皮下出血やはれ、痛みが生じ、腕や肩を動かすと痛みが強まることで明らかとなります。時に腕神経叢の損傷を合併します。血管損傷はまれですが、交通事故などにより大きな外力を受けた場合には注意を要します。

鎖骨骨折で偽関節を形成するのは、ほとんど不用意な手術によって局所の骨折治療を施したものです。この場合には、骨折端を新鮮化して、内固定とともに骨移植が必要となってきます。

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行政書士・社会保険労務士 松井 宝史 宮本麻由美

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鎖骨とは

鎖骨は体の内側で胸骨とくっついて関節をつくり、体の外側(肩に近い方)で肩甲骨とくっついて関節をつくっています。

腕や足、首などの骨と比べると、「鎖骨って何のためにあるのかな?なくても困らないんじゃない?」と何の役にも立っていないように思われがちですが、実は上半身の運動をサポートする重要な役割を持っています。

鎖骨がなければ肩や腕の上げ下げといった動きをスムーズにできなくなってしまうのです。

鎖骨は皮膚の上から触ってみると、まっすぐの直線ではなく、少し曲がっている(ゆるやかなS字の形)ことがわかります。直線ではなく少し曲がっていることで、圧迫力が加わったときに力に抵抗しやすくなっています。

また、肩や腕を前方へ伸ばそうとすると鎖骨も一緒に前に動きますが、このとき鎖骨の動きにブレーキをかけるのが肋鎖靭帯と後方靭帯です。後方への動きにブレーキをかけるのは、肋鎖靭帯と前方靭帯です。

ところで、人体の中でもっとも可動域の広い部分といえば肩関節ですが、肩をぐるぐると回したり大きな動きをするときには、肩関節だけではなく胸骨や鎖骨も連動しています。つまり、胸骨や鎖骨を骨折してしまうと、肩を大きく動かすことができなくなってしまうのです。

鎖骨を骨折してしまうと、鎖骨にくっついている筋肉や肩甲骨、上肢の重みで遠位端(肩に近い方の端)が下にひっぱられ、逆に近位端(首に近い方の端)は上に上がっていきます。そのため、折れた骨がズレてしまいます。

鎖骨は皮膚のすぐ下にあるので、ズレが大きくなると皮膚を突き破って開放骨折になってしまうおそれもあります。ズレを放置しておくと、皮膚が圧迫されて壊死してしまうこともあります。

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鎖骨骨折の受傷原因

鎖骨骨折の原因として最も多いものは、肩から地面に倒れ込んだりして、肩から体の内側(鎖骨の方向)へ向かって大きな力が加わることです。鎖骨を直接打ったりして骨折することもありますが、多くはありません。

肩から鎖骨へ力が加わって骨折した場合は、斜骨折になることが多くなっています。直接鎖骨に力が加わって骨折した場合は横骨折になることが多く、場合によっては鎖骨下動静脈や腕神経叢を損傷してしまうこともあります。

鎖骨骨折のうち、遠位端に生じる骨折は肩から鎖骨へ力が加わったことによるものがとても多いです。また、この場合も斜骨折になることが多いです。特に鎖骨遠位端は骨を覆う皮質骨が薄いので、衝撃がそのまま伝わって粉砕骨折になることも少なくありません。

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鎖骨骨折の診断

鎖骨骨折をしてしまったら、まずは病院を受診しましょう。病院ではレントゲンを撮りますが、より骨折した部分の様子をはっきりさせるために2方向から撮影します。

骨折により血管まで損傷してしまっていないかどうか、また損傷していたとしたら損傷の程度を検査して確かめます。

骨折してしまった部分や、程度により、医師が治療の計画を立てていきます。

遠位端骨折(肩に近い部分の骨折)は、肩の遠位を打撲したとき、近位端骨折(首に近い部分の骨折)は、皮膚を介して直接外力が加わったときに起きます。

鎖骨遠位端(外側3分の1)の骨折は、3つに分類されます。

 

TypeⅠ:烏口鎖骨靭帯付着部により外側での骨折です。転位のない安定した骨折です。

TypeⅡ:烏口鎖骨靭帯より内側での骨折です。鎖骨の遠位骨折と肩鎖関節はそのままですが、烏口鎖骨靭帯複合体から切離されています。偽関節になるリスクが高いといわれています。

TypeⅢ:鎖骨の遠位端の関節表面の骨折です。通常、大きな靭帯の断裂を合併します。

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一般的には、鎖骨骨折は保存的に治療されますが、転位が著しいもの、第3骨片が皮膚を圧迫しているもの、腕神経叢圧迫症状のあるもの、烏口鎖骨靭帯断裂を伴った遠位端骨折のものは手術となります。

鎖骨骨折の合併損傷

鎖骨骨折をした方は、肩甲骨骨折や肋骨骨折などの骨折を合併しやすくなっています。

また、これらの合併によって気胸が生じることもあります。これだけではなく、さらに肩鎖関節脱臼や胸鎖関節脱臼が生じることもあります。

その他にも、鎖骨骨折が原因で鎖骨下動静脈が損傷を負ったり、腕神経叢損傷により神経麻痺や神経断裂が生じることもあるので、注意が必要です。

鎖骨骨折は、少しぐらいの変形治癒は、機能障害(肩が動かしにくい)を残しません。

交通事故による鎖骨骨折の後遺症としては、変形して治癒、偽関節、肩の疼痛、肩関節の拘縮による肩の可動域制限などです。

上記のような症状が残った場合は、後遺障害の申請をして下さい。

後遺障害としては、肩関節の拘縮による肩の可動域制限で12級6号、10級10号、鎖骨の変形で12級5号、肩の痛みで12級13号または14級9号となる可能性があります。

偽関節の原因は、主に不十分な固定、重度の損傷、外側端骨折、大きな転位、不用意な手術で骨折部の骨折治療を障害したものなどが考えられます。

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鎖骨骨折の形態

鎖骨骨折は、折れた場所によって中1/3の骨折、遠位端骨折(肩に近い方の骨折)、近位端骨折(首に近い方の骨折)に分けられます。中1/3の骨折が全体の80%を占め、遠位端骨折が15%、近位端骨折が5%となっています。

中1/3の骨折が多い理由としては、鎖骨が近位1/3を中心に上前方凸型に弯曲しており、そのために肩方向からの外力が加わったときに彎曲部に大きな力がかかり、折れやすくなってしまうからです。

また、中1/3の骨折をすると、肩に近い方の骨片は腕の重さに引っ張られ、また首に近い方の骨片は胸鎖乳突筋に引っ張られるため、凸型に変形を生じます。

遠位端骨折は、Neer分類により3つに分類されています。

烏口鎖骨靭帯が正常で、大きなずれがない安定型骨折をI型といいます。烏口鎖骨靭帯の損傷があり、大きくずれた不安定型骨折をⅡ型といいます。また、ずれはないが関節面にかかっている骨折をⅢ型といいます。

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宮本麻由美社労士

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