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肩甲骨骨折・烏口突起骨折

肩甲骨は、交通事故に遭って肩から地面に倒れ込んだり、肩の後方を強くぶつけたりしたときに折れてしまうことがあります。

ですが、肩甲骨の周囲には筋肉があり、衝撃が加わってもこの筋肉がクッションの役割を果たしてくれるので、肩甲骨骨折の頻度は高くありません。

肩甲骨には上部に烏口突起という体の前方向に飛び出した形の突起部分があり、この部分が折れた状態を烏口突起骨折といいます。発生頻度は低く、後遺症も残りにくい骨折です。

もし肩甲骨骨折になってしまったら、テーピングや三角巾などで固定する保存療法で治します。痛みが弱くなってきたら症状をみながらできるだけ早めにリハビリテーションを開始することが大切です。

重度の場合は外科的治療を行います。比較的治りの良い骨折だといわれています。

肩甲骨とは

肩甲骨は胸の反対側(背中側)にある大きくて平らな骨で、鎖骨と上腕骨につながっています。突起がついていたりカーブがいくつもあるため、部分ごとに名前がつけられています。

肩甲骨の内側(前面・肋骨面)は肩甲下窩と呼ばれ、上半身を支えています。肩甲骨の外側(後面・背側面)は肩甲棘という出っ張りから上を棘上窩、下を棘下窩と呼び、上下ともそれぞれ筋肉(棘上筋と棘下筋)がくっついています。

肩甲骨の上縁のくびれているような部分は肩甲切痕と呼ばれ、神経が通っています。

また、肩甲骨上部には、体の前側に手をかけているような形の突起があり、烏口突起といいます。この烏口突起の先端には上腕骨や胸筋などの筋肉や靭帯がくっついています。

肩甲骨骨折をしてしまった場合は、どこを骨折したかにより分類されます。もっとも多いのは、体部骨折です。

 

肩甲骨骨折の受傷原因

肩甲骨骨折は比較的起こりにくい骨折です。肩甲骨自体はとても丈夫な骨とは言えませんが、筋肉に覆われているので衝撃が直接肩甲骨に伝わりにくく、そのため骨折が起こりにくいのです。

しかし、交通事故や高い所から落ちたりして背中に直接とても大きな力が加わると、肩甲骨を骨折することがあります。肩甲骨骨折をしたときには、肋骨骨折や頭頸部損傷、胸部損傷を引き起こしていることも少なくありません。

上腕骨の近位端に衝撃を受け、その衝撃が肩甲骨に伝わって肩甲骨骨折をすることもあります。

肩甲骨の烏口突起や肩峰(烏口突起の隣にある出っ張った部分)は筋肉や靭帯、腱がくっついているため、上半身を動かすたびに負荷がかかり、ストレス骨折や裂離骨折を生じることがしばしばあります。

 

肩甲骨骨折の診断

肩甲骨を骨折すると、骨折した部分に痛みが生じます。

肩甲骨を覆っている筋肉が厚いので、骨折後すぐには腫れているのかどうかがわかりにくいのが特徴です。

烏口突起骨折や体部骨折をした場合には、呼吸をするたびに胸にある筋肉が動いて骨折部が痛みます。

また、折れにくいといわれている肩甲骨ですから、骨折するほどの大きな力が加わったときには、体の他の部分にも損傷を生じていることが少なくありません。

より正確な診断や治療の計画を立てるために、レントゲンを2方向から撮影します。

それでも骨折した部分が見えにくい場合には、三次元CTを利用します。

 

右肩甲骨骨折の事例:12級6号

 
項目 金額
1. 治療費  2,496,530円
2. 入院雑費 57,000円
3. 通院交通費  11,628円
4. 休業損害 789,242円
5. 傷害慰謝料 1,700,000円
 (小計)  5,054,400円
6.後遺障害逸失利益 2,365,097円
7.後遺障害慰謝料 2,800,000円
 (小計)  5,165,097円
 (合計) 10,219,497円
過失相殺後請求金額 (過失20%) 8,175,597円

例:男性 自営業(固定時70才)入院38日・実通院179日

備考:右肩甲骨骨折の事例:12級6号

 

逸失利益は:

賃金センサス男子学歴計全年齢平均賃金の60% 

3,328,320円×0.14×5.0757=2,365,097円

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肩甲骨骨折の分類

肩甲骨骨折は、骨折部位によって次のように分類されます。

・ 体部骨折…肩甲骨骨折全体の約2分の1を占めます。

・ 頚部骨折…肩甲骨骨折全体の約3分の1を占めます。安定型と不安定型があります。
鎖骨骨折や肩鎖関節脱臼などの合併症がある場合は不安定型となり骨のずれも大きく治りにくくなります。これらの合併症がない場合は安定型となり、治りも良好です。

・ 関節窩骨折…次の5型に分けられています。
(Ⅰ型)前方の関節窩縁骨折
(Ⅱ型)関節窩を横切る形で骨折線が入り、下方にある骨片が分離するもの
(Ⅲ型)関節窩上方3分の1(烏口突起のある部分)の骨折
(Ⅳ型)関節面から肩甲骨内側縁にかけて骨折線が入っているもの
(Ⅴ型)Ⅱ型とⅣ型の合併型

・ 肩峰骨折

・ 烏口突起骨折

 

肩甲骨骨折の治癒

肩甲骨骨折は、合併損傷の内容により差はありますが、概ね骨癒合は良いといえます。

保存療法の場合は、固定期間は短めに設定し、早い段階から肩関節を動かしていきます。
手術療法の場合も、術後は固定を短めに設定し、肩関節拘縮予防のためにも早い段階から型関節を動かしていきます。

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