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- 判例紹介

東京地裁 平成13年2月22日判決 (抜粋)
平成10年(ワ)第24955号

要旨:
自家用自動車総合保険契約約款「無保険車傷害条項」の支払業務の範囲につき、通常の事案では、自賠責保険金の限度額(死亡の場合には3、000万円)を超過する部分について無保険車傷害保険金が支払われることになるが、自動車損害賠償保障事業からの損害補填額が減額されたような場合には、現実の補填額を超過する損害が無保険車傷害保険の支払対象になると認めた事例。


裁判所の判断:
無保険車傷害保険金の支払義務の範囲


 本件保険契約の約款第三章(無保険車傷害条項)一条二項に、無保険車傷害保険金が「自賠責保険等によって支払われる金額(自賠責保険等がない場合、または自動車損害賠償保障法に基づく自動車損害賠償保障事業により損害の填補を受けられる場合は、自賠責保険等によって支払われる金額に相当する金額)」を超過した額について支払われる旨の規定があることは、原告らと被告会社との間で争いがない。

 ところで、無保険車傷害保険は、対人賠償保険に加入していた被保険者が、死亡し又は後遺障害を負ったにもかかわらず、たまたま加害車両が無保険であるため損害の填補を受けることができない場合に、対人賠償保険を不定額の傷害保険に転換することとして、被害者の救済を図るために設けられたものである。

換言すれば、無保険車傷害保険は、被保険者が付保していた対人賠償保険に、それがあたかも加害車両に付保されていたのと同じような効果を与えて、本人が付保した対人賠償保険の保険金まで被保険者を救済しようとするものにほかならない。

そして、無保険車傷害保険においては、基本的に、相手方に任意対人賠償保険が付されている場合と同じ要件の下で保険金が支払われることになるのであり、対人賠償保険が自賠責保険等の上積み保険であるのと同様に、無保険車傷害保険も自賠責保険等の上積み保険とされている。

そうすると、無保険車傷害保険についての上記第三章一条二項の規定は特段不合理とはいえないものであり、これが無効であり等という原告らの主張は理由がない。

 そして、通常の事案では、自賠責保険の限度額(死亡の場合には3、000万円)を超過する部分について無保険車傷害保険金が支払われることになるが、本件のように自動車損害賠償保険事業からの損害填補額が減額されたような場合には、賠償義務者の賠償資力を補うという上積み保険としての無保険車傷害保険制度の趣旨にかんがみると、上記の現実の填補額を超過する賠償額が無保険車傷害保険の支払の対象になると解するのが相当である。

上記第三章一条二項の規定の文言は、このように解することの妨げとなるものではない。したがって、被告会社は、自動車損害賠償保険事業から支払を受けた2、015万5、259円を超える範囲において、原告らに無保険車傷害保険金の支払義務を負担するものというべきであって、その支払義務が自賠責保険金の限度額3、000万円を超える部分に限られるとする被告会社の主張も理由がない。

 

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行政書士 松井 宝史
行政書士登録番号 第03190774号
愛知県行政書士会所属


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