3.医療扶助と介護扶助
1.医療扶助
◎医療扶助
1・医療扶助の範囲
2・病院などを受診するときには
3・医療費の他法活用
生活保護法では、「他の法律で使えるものは、全部使う」ということになっていて(これを他法活用といいます)、医療に関しても例外ではありません。従って、健康保険法(国民健康保険は除く)や老人保健法、精神保健福祉法、結核予防法などの医療に関する法律によって給付を受けられる文は、生活保護法の医療扶助の対象にはなりません。以下代表的なものについて、生活保護の医療扶助との関係を述べます。
@健康保険法(会社などの社会保険に加入している本人とその家族)
保険証を使っても自分で負担しなければならない分(保険診療のうち病院の窓口で支払う分)だけ、医療扶助が適用されます。
● 病院等には、健康保険証と医療券又は医療要否意見書を持って行くことになります。
A老人保健法(75歳以上の人、寝たきりの場合は65歳以上の人)
この法律は、何らかの医療保険に加入している人を対象にしています。生活保護を受けている間は国民健康保険には入れませんから、社会保険の本人か家族の場合に適用になります。実際には「子どもの健康保険の御家族=被扶養者」となっている場合がほとんどです。老人保健法による給付は、保険診療の医療費のうち7割が医療保険で、所得によって1割または2割の自己負担があります。自己負担分を医療扶助で支給します。
● 病院等には、保険証と老人医療証のほか、一部負担金と入院給食費分の医療券(入院のときは医療要否意見書)を持って行くことになります。
B精神保健福祉法(精神科に通院・入院する人)
この法律の第32条に、精神科等通院医療費の定めがあります。「32条」の承認を受けると、精神科等に通院する場合の医療費は、その95%が精神保健福祉法によって支払われます。従って、残りの5%分を医療扶助として支払うことになります(今年度中に名称及び事故負担金が変更になる可能性があります。)管轄の保健所や市区町村役場で申請してください。
次に入院の医療費ですが、この法律によって入院医療費が10割支払われるのは、知事による入院措置(第29条)の場合だけです。このほかの入院形態の場合には、精神保健福祉法による負担はなく、医療費全額が医療扶助の対象ということになります。
C結核予防法
精神保健福祉法と同じで、命令入所=第35条(入院)の場合10割、一般治療=第34条(入院・通院)では95%の給付が行われ、残りの5%が医療扶助で支給されます。
D自賠責保険(交通事故に遭った場合)
交通事故に遭うと、その治療は加害者が加入している自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)によって、支払われることになります。
● 自賠責保険や任意の自動車保険で治療費が支払われる限り、生活保護の医療扶助は適用されません。交通事故だけでなく、他人にけがを負わされた場合なども、加害者に対して損害賠償を請求する権利があるため、本来医療扶助の対象にはなりません。
Eその他の法律や制度について
このほかにも、母子保健法や原爆・公害の医療等、医療費を給付する法律がたくさんありますが、それらすべては生活保護よりも優先することになっていますので、いずれの場合も、不足分がある場合だけが医療扶助の対象となります。
また、法律ではありませんが、各地方自治体の医療費の助成制度もいろいろあります。例えば東京都では、1937年6月30日までに生まれた70歳未満の高齢者、身体障害者、難病患者、ひとり親家庭、6歳になった最初の年度末までの乳幼児を対象にしたものなどです。これらの制度は、生活保護受給中は利用できず、代わって医療扶助が適用されます。
・医薬品副作用被害救済制度
薬害の救済は、使用した医薬品(売薬も含む)によって、その使用が適正であったにもかかわらず発生した副作用による疾病、障害、死亡について、救済の対象となります。救済の給付の種類として、医療費、医療手当、障害年金、障害児養育年金、遺族年金、遺族一時金、葬祭料の7種類があります。詳しいことは、医薬品機構(電話03-3506-9411)の窓口に問い合わせてください。
・労災保険
仕事中や、通勤途中の事故でけがをしたり病気になったりしたときに補償をしてくれる制度です。国籍や労働形態は問いません。労災保険給付を受けるには、傷病と業務との間に相当因果関係があることが必要です。
労災保険の給付には、療養(補償)給付、休業(補償)給付、傷病(補償)年金給付、遺族(補償)年金、一時金、葬祭料があります。
労災保険の給付申請や問い合わせをするのは、事業所を管轄する労働基準監督署です。東京には、東京労働安全衛生センター(電話03-3683-9765)があり、相談ができます。
労災保険以外にも、社会保険に加入中に病気や事故のために仕事を休んだときには、傷病手当金が支給されるなど、加入している保険制度からそれぞれの保険給付が受けられます。これらの制度を申請すると支給までに時間がかかるので、手続きの間生活に困ったときには生活保護制度の利用ができます。
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