仙骨・尾骨骨折
仙椎の数は4個から6個と個体差があり通常は5個で、成人では一塊となり仙骨を形成しています。正面では二等辺三角形、側面では第2/3仙椎を頂点とする後方凸の弯曲を呈します。
仙骨骨折の大部分は腰椎や骨盤、下肢に加わる強い介達外力によって発達します。したがって骨盤環骨折を合併することが多く、その頻度は30〜74%と報告されています。
ダッシュボード損傷などで体幹や下肢の一側に軸圧力が作用すると、一部は骨盤環へ伝達され、一部は仙腸関節に伝達されます。その結果、骨盤環では前方の恥骨結合離開、恥骨・坐骨の骨折が起こることがあり、仙町関節では脱臼、あるいは仙町関節の強靭な安定性のための周囲に伝達された力により腸骨や仙骨に骨折を生じます。
同様に骨盤環が挟撃された場合も前方部が損傷されやすく、外力が大きければ仙骨部に波及し仙腸関節の脱臼や仙骨骨折を起こします。
一方、仙骨単独骨折の頻度は低く全背椎損傷の5%内外と報告されています。
尾骨骨折はほとんどが直達外力によって起きます。この際、坐骨結節により先に尾骨が打撃されることが条件となります。
仙骨骨折は、骨折線の方向によって縦骨折、斜骨折および横骨折に分類されます。縦骨折が多いです。
デニス分類
現在最も用いられています。これは236例の仙骨骨折の分析から骨折部位を3つの区域に分類したものです。
T型:仙骨翼および外側塊の骨打で頻度は約50%です。骨盤へ側方から外力が加わった時に発生します。後方の仙腸靭帯が温存されるので縦方向に転位していなければ安定型損傷とされています。
神経損傷合併率は5.9%と少ないですが、転位が大きければL5神経根や仙骨神経叢が損傷されることもあります。
仙結節靭帯と仙棘靭帯が附着するS4部分の離裂骨折もこの分類に含まれます。さらに腹側および背側仙腸靭帯附着部の関節近傍でも剥離骨折が起こりますが、これは通常前後からの外力やL5/S1の脱臼に伴って発生します。
U型:中央の脊椎管には及びませんが、1個以上の仙骨孔が含まれる骨折です。垂直剪断力で発生し頻度は約34%です。縦方向の転位が大きければ神経障害を伴い多くは不可逆的です。頻度は28.4%と報告されています。
しかし第3〜5仙髄神経損傷が合併しても外側のみで、他側が温存されていれば膀胱直腸機能は保持されます。
V型:中央の仙骨骨柱管部の骨折です。ここに横骨折やL5/S1の脱臼および脱臼骨折も含められますが、頻度は9%と低いです。
しかし神経損傷の合併は56.7%と高率で、高位の横骨折では麻痺は必発です。
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