骨盤骨折
骨盤骨折は、まず生命を失う危険性のある重篤な合併症の有無を的確に診断し、合併症があればその治療を先行させます。
一般に骨盤骨折の骨癒合は容易で、変形治癒が軽度の場合には後遺症を残さないので、骨折の治療はまず合併症を安定させることを優先した後に、できるだけ早く開始することになります。
骨盤骨折は、転落、転倒、打撃などで発生します。特に交通事故などによる強大な外力による受傷は多発外傷になりやすく、骨盤環複合骨折では、腹腔、骨盤腔内臓器、血管、ときには神経の損傷を合併し、全身的に重篤な状態となることも少なくありません。
骨盤骨折を起こす大きな2つの力は圧迫力と張力で、圧迫力は複数部位で骨盤環を破壊する骨折を起こすことが多く、張力は単独の裂離骨折を発生させます。
外力の大きさとスピードは骨損傷の程度に、外力の方向は骨折の部位と形態に関連します。
Watson−Jones分類
1、 自家筋力による筋附着部裂離骨折
@ 大腿直筋による下前腸骨裂離骨折
A 縫工筋による上前腸骨棘裂離骨折
B ハムストリングによる坐骨骨端線裂離骨折
2、 骨盤環単独骨折
@ 恥骨枝骨折
A 腸骨骨折
B 恥骨結合離開
C 仙腸関節亜脱臼
3、 骨盤環複合骨折
@ 恥骨の二重骨折
a.片側の恥骨上下枝骨折と恥骨結合離開
b.両側の恥骨上下枝骨折
A腸骨骨折と恥骨骨折の複合
a.仙腸関節脱臼と恥骨結合離開
b.腸骨骨折と恥骨結合離開
c.仙腸関節脱臼と恥骨上下枝骨折
d.腸骨骨折と恥骨上下枝骨折
4、 仙骨骨折