★正中神経麻痺
正中神経は、第6・7・8頚神経と第1胸神経よりなる腕神経叢の外束と内束との前枝が合流して鎖骨下で正中神経となります。
○ 正中神経低位麻痺
手関節付近での損傷では、短母指外転筋、母指対立筋麻痺のため、母指の対立運動すなわち回内と垂直外転ができなくなり、母指球が萎縮します。
感覚は母指から環指(くすりゆび)ぎょう側2分の1が障害されます。完全麻痺では、発汗障害、皮膚萎縮となります。
○ 正中神経高位麻痺
肘関節より中枢の高位麻痺では、正中神経低位麻痺の症状に、母指の屈曲障害と前腕回内障害が生じます。
また、橈側手根屈筋、長掌筋も麻痺します。尺骨神経の深指屈筋への支配領域によっては示指、さらに中指の屈曲障害も生じます。
正中神経麻痺は、外傷においては、ひじ関節周辺の骨折・脱臼に合併します。上腕顆上骨折など、上腕骨下端骨折で高位麻痺、橈骨遠位端骨折時の手関節掌屈位固定や月状骨掌側脱臼時に遅発性に低位麻痺が生じます。