★知覚
痛みと温度に関する感覚は、脊髄内の外側脊髄視床路を通って伝えられるが、触覚は前脊髄視床路を通って伝えられる。
脊髄や神経根に病変がおこれば、触覚の脱失がまずおこり、ついで痛覚の脱失がおこってくる。逆に神経根が損傷から回復する場合には、触覚の回復に先立って痛覚の回復がおこる。この2種類の感覚は別々に必ず調べるべきであり、触覚検査には綿球を用い、痛覚検査には針刺激がよい。痛覚検査の実際は、針で軽く刺すようにして調べる。
刺激は繰り返し行う必要もあるが、あまり早く繰り返してはならない。針車(洋裁用ルーレット)も知覚の以上を調べるのにきわめて便利な方法である。2本の針車を身体の両側に当てて用い同時に検査すれば、左右の比較ができる。安全ピンを用いるのもよいが、縫い針は先端が鋭敏で患者を傷つける恐れがあるので勧められない。
知覚の異常部位がみつかったならば、知覚脱失部からはじめて、周囲の正常部分に向けて検査を繰り返すことにより、知覚異常の範囲をより正確に知ることができる。知覚検査は患者の主観的な反応に基づいて判断する要素が大きいので、患者が検査に全面的に協力してくれることが必要である。
知覚の程度を判定したならば、その結果を皮膚節図の上に、正常、知覚過敏(増強)、知覚鈍麻(減弱)、異感覚(異常な感じ)、あるいは知覚脱失(無知覚)などと記入する。