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無職者、不労所得者、その他の休業損害


失業中の者は収入がないので、失業状態が継続する限りは、休業による損害は生じないことになります。従って、身体状況が改善され就労可能になるまでの期間が比較的短期間の場合には、具体的な就労の予定が明らかにされない限り、休業損害の発生が否定されることが多い。
 
もちろん、就職が内定しているなど就労の予定が具体化している場合は、就労予定日から就労可能となる日までの間の休業損害が認められることになります。
 
治療期間が長くなると、いかに失業者とはいえ、その期間中に就労しなかったはずとは断定しにくくなります。それゆえ、休業期間が長い例では、休業損害が認められることも多い。
 
休業損害を認める場合には、いつの時点から認めるかが問題となりますが、失業の経緯、年齢、身につけた技能・資格などを考慮して適当な時期を認定して損害算定することになります。
 
裁判例の中にはしかるべき基礎収入額を認定したうえ、事故時から休業期間全体につき、全体をとおしてその金額に休業日数分を乗じた金額程度の収入を得られたとして損害算定するものもあります。
 
失業者の基礎収入額の認定は、就職内定のような場合は、就労予定先での予定された給与額ということになります。
 
そのような具体的な目安がないときは、失業前の収入水準、失職の経緯、年齢、身につけた技能・資格などや賃金センサスの平均賃金額などを参考に、得られたであろう収入水準を推測することになります。
 
最近の社会情勢では、比較的高水準の収入を得ていた者が再就労後に失職前の給与水準を獲得できるとは断言できないし、以前から賃金センサスの平均賃金の水準に達しない収入しか得られていない者が再就労後によって平均賃金の水準の収入を得られると推定するのも合理的とはいえないので、前述のような要素を考慮して、現実的と思われる金額を認定すべきであると思われます。
 
地代・家賃収入、恩給・年金等で生計を立てている者は失業者と異なり、就労して収入を得ることを全く予定していないのであるから、休業によっても収入額に影響はなく休業損害は生じません。
 
ただし、不動産賃料収入の場合には、被害者が管理労働を行っている場合もあるので、休業期間中の管理労働ができなかったことによる損害の発生を慎重に検討すべきです。
 
形式的には就労し収入を得る行為が違法とされる場合がありますが、公序良俗に反しない限り、休業損害は肯定されます。ただし、収入の継続性・安定性に疑問があるので、制限的な認定がなされることも多い。


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