7.過労死しないために 3 労働時間の記録から始めよう
残業代は、残業時間数に応じて支払われるべきものですから、会社の都合で固定された時間以上は支給しないという取り扱いは許されません。
厚生労働省は、労働時間を事業者が適正に把握していないことが、長時間労働に起因した過労死の背景にあると分析しています。
また、平成12年11月30日の中央労働基準審議会では、サービス残業の解消対策が必要との建議が出されました。
これらを背景として、平成13年4月6日に、厚生労働省は、「労働時間の適正な把握のために使用者が構ずべき措置に関する基準」という通達を出しました。(基発台339号)。
この通達は、労働時間の適正な把握のため会社の義務として、労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、これを記録することを定めています。
また、この労働時間の確認方法は、原則として、会社が自ら記録するか(使用者の現認)、タイムカードなどの客観的な記録を基礎として確認し、記録することとされています。
やむを得ず労働時間の記録について、自己申告制をとる場合についても、会社は従業員に十分な説明を行い、必要に応じて申告と労働時間の実態について実態調査を行わなければなりませんし、適正な労働時間の申告を阻害する目的で時間外労働時間数の上限を設定するなどの措置を講じることは禁じられています。さらに、労働時間の記録に関する書類(タイムカードや残業命令書等)の保管については、労基法109条の3年の保存期間が適用されます。
適正な残業時間の申告を妨害する目的で固定された時間の残業打切りを定めている場合は、この通達に違反していることを理由として、労働基準監督署から、会社に対して、タイムカードの導入・残業打切り制度の廃止を指導・勧告してもらうよう、要求することができます。
当面の対応としては、実際の労働時間を、手帳などにメモして、記録として残しておくことが、労働基準監督署に相談する上でも重要です。