1 通勤災害の考え方
★2.通勤起因性
通勤災害とは、通勤遂行性が認められる場合を前提として通勤起因性、すなわち、「災害が労災保険法に規定される通勤に通常伴う危険が具体化したもの」と認められなければなりません。
ここでいう「通勤に通常伴う危険」とは、通勤に伴う一般的危険(例えば、徒歩又は自転車での通行中の転倒、交通事故等)のみを意味しているものではなく、自宅等の住居と会社、工場等の就業の場所との間、つまり通勤経路に内在する危険をも意味しています。従って、通勤経路が異なる場合には、通勤経路に内在する危険についても異なる場合があります。
したがって、通勤起因性の判断は、災害の発生に不可欠な条件となった諸事情のもとにおいて通勤が災害の発生に相対的に有力な原因であるかどうかを客観的事後予測のもとに行うことが必要となります。
通勤起因性を判断するための基本的な考え方については、まず第一に、通勤がなければ当該災害を被らなかったであろうという条件関係の存在が必要です。したがって、通勤がなくとも当該災害を被ったであろうと推定され、当該災害が通勤を単なるきっかけとして偶然に生じたにすぎない場合には、当該災害には通勤起因性は認められないこととなります。
第二に、前述の条件関係を前提として、通勤が当該災害の発生について相対的に有力な原因であると認められなければなりません。
相対的に有力な原因かどうかは経験則に照らし、当該通勤には当該災害を発生させる危険性があったと認められるかどうかであり、いいかえれば、当該災害が当該通勤に内在する危険が現実化したものと認められるかどうかであるということになります。
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