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じん肺健康診断とじん肺管理区分、健康管理手帳

文責 社会保険労務士 松井 宝史 最終更新日:2021.08.14

じん肺健康診断とじん肺管理区分、健康管理手帳のポイントを解説してみます。

(ポイント)

1.じん肺の健康管理のために、じん肺法に基づくじん肺健康診断があります。

2.このじん肺健康診断の結果に基づき、じん肺管理区分が決定されます。

3.粉じん作業に従事した事業場に勤務している間は事業者によりじん肺健康診断が実施されます。

4.離職後は、本人自らじん肺についての健康診断を受け、じん肺管理区分の決定申請をすることができます。(随時申請)

5.じん肺管理区分が管理2である方が離職される場合、若しくは離職している場合は、都道府県労働局に申請すれば健康管理手帳が交付され、肺がんに関する検査を無償で受けることができます。

6.じん肺管理区分が管理3(イ又はロ)である方が離職される場合、若しくは離職している場合は、都道府県労働局に申請すれば健康管理手帳が交付され、じん肺健康診断を無償で受けることができます。

7.離職後に随時申請でじん肺管理区分が管理2又は管理3(イ又はロ)となった方も健康管理手帳の交付を受けられます。

じん肺管理区分について

じん肺の管理区分は、管理1、管理2、管理3イ、管理3ロおよび管理4の5段階に分かれています。

管理1は、じん肺の所見がないという区分ですが、管理2以上は、じん肺の所見があるということを示しており、数字が大きくなるに従いじん肺が進行していることになります。

また、管理2以上の所見を有する方のじん肺の管理区分は、かかりつけの病院等の医師が判断するのではなく、エックス線写真とじん肺健康診断結果証明書等を住所地の都道府県労働局長に提出し、都道府県労働局において、地方じん肺診査医による審査を行って、都道府県労働局長により管理区分が決定されることになっています。

管理4と決定された場合には、療養をすることになっており、最寄りの労働基準監督署で所定の手続をとれば、労災保険により、必要な休業中の補償や治療費の給付が行われます。

また、管理2、管理3イおよび管理3ロと決定された場合でも、肺結核や続発性気管支炎などの合併症にかかり療養が必要であると認められた場合には、同様の補償などが行われます。

なお、都道府県労働局長のじん肺管理区分決定に不服がある方は、厚生労働大臣に対して、不服審査請求を行うことが出来ることになっています。

じん肺管理区分

じん肺の管理区分は、粉じん職歴、呼吸困難度、胸部レントゲン分類、呼吸機能検査、動脈血ガス分析の結果を総合的に判断して決定されます。

じん肺管理区分は粉じん作業従事者のじん肺予防のための作業内容の監督や指導、健康管理の指標となります。

じん肺管理区分と胸部レントゲン分類の関係

管理区分

胸部エックス線分類

著しい呼吸機能障害の有無

管理1

じん肺の所見なし

 

なし

管理2

第1型

管理3

(イ)

第2型

(ロ)

第3型、4型A、B

管理4

 

第1型~4型A、B

あり

第4型C

なし又はあり


健康管理手帳について

じん肺管理区分が管理2又は管理3(イ又はロ)の決定を受けている離職予定の方、じん肺管理区分が管理2又は管理3(イ又はロ)の決定を受けて既に離職している方、離職した後に随時申請でじん肺管理区分が管理2又は管理3(イ又はロ)の決定を受けた方には、労働安全衛生法に基づく「健康管理手帳」が交付され、都道府県労働局と委託契約を結んでいる医療機関で、無料で定期的に年1回管理2の方は肺がんに関する検査を、管理3(イ又はロ)の方はじん肺健康診断を受けることができるようになっています。

健康管理手帳の交付は、本人が都道府県労働局長に対して申請するようになっています。

退職後の健康管理に役立ちますから、該当する方はぜひ申請して健康管理手帳の交付を受けてください。

粉じん作業に従事した事業場に勤務している間は、定期的にじん肺健康診断が行われ、じん肺管理区分の決定に関する手続きも事業者が行いますが、退職後は本人自ら自己のじん肺の状態を把握していく必要があります。

こうした点を踏まえ、粉じん作業に従事したことのある方は、体調に変化があったときなど、いつでも、じん肺健康診断を受けて、じん肺管理区分の決定申請を行うことができることになっています。

これを随時申請といいます。

じん肺管理区分決定の申請手続(随時申請)

1 提出書類等

じん肺管理区分決定の随時申請に必要な書類等は次の3つです。

① じん肺管理区分決定申請書様式第6号(じん肺法施行規則第 20 条関係)

なお、様式第6号の「事業の種類」の記入に当たっては、日本標準産業分類の表中の「中分類」から選択して記入してください。)

② 胸部エックス線写真(医療機関から借りて提出します。)

フィルム媒体、電子媒体のどちらでも受付してくれます。

電子媒体による提出の際は、下記リーフレットを参照してください。

リーフレット「電子媒体によるエックス線写真の受付について」愛知労働局のリーフレット

撮像表示条件確認表
撮像表示条件の確認のため、CR、DR(FPD)の区別に応じ、確認表の添付をします。
CR確認表
DR(FPD)確認表、DR(FPD)撮像表示条件

③ じん肺健康診断結果証明書様式第3号(じん肺法施行規則第 20 条関係)
(この他、参考となる資料を添付することもできます。)

このうち、①の申請書には、過去の一番近い時点で、粉じん作業についていた事業場の事業者に、粉じん作業に常時従事していた証明をしてもらう必要があります。

しかし、たまたまその事業所がなくなってしまっているときには、一緒に働いた2名以上の同僚などによって、以前にその事業場で粉じん作業に従業していたという証明をしてもらい、その証明になる書類を添える必要があります。

同僚証明書

また、じん肺の健康管理手帳の交付を受けている方または以前にじん肺管理区分の決定を受けたことのある方は、この証明を省略することもできます。

2 申請先

住所地を管轄する都道府県労働局労働基準部の健康課又は健康安全課じん肺管理区分決定の申請について不明の点は、都道府県労働局労働基準部の健康課又は健康安全課にお問い合せください。

じん肺管理区分の申請はお任せください

健康管理手帳の申請手続

1 提出書類等

① 健康管理手帳交付申請書様式第7号(労働安全衛生規則第 53 条関係)

② じん肺管理区分が、管理2又は管理3(イ又はロ)と決定された決定通知書(様式第4号又は様式第5号)(じん肺法施行規則第 16 条又は第 17 条関係)の写し

2 申請先

粉じん作業に従事していた事業場の所在地を管轄する都道府県労働局労働基準部の健康課又は健康安全課(なお、離職後には住所地を管轄する都道府県労働局労働基準部の健康課又は健康安全課)健康管理手帳で健康診断を受けることのできる医療機関や、受けることのできる時期などは、健康管理手帳の交付後に通知されます。

健康管理手帳の交付申請について不明の点は、都道府県労働局労働基準部の健康課又は健康安全課にお問い合せください。

まずはご相談から始めてみましょう。

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