高次脳機能障害とは 通勤災害(労災保険)

通勤災害の高次脳機能障害の労災申請

文責 社会保険労務士 松井 宝史 2023.04.16

高次脳機能障害とは

交通事故などで脳に傷を負ったとき、外見から分かる症状として、運動麻痺や手の震えなどが出ることがあります。

その一方で、外見からは分からない症状というものもあります。

例えば自分の思うように話せない、他人の言っていることが理解できない、すぐに物事を忘れてしまう、ちょっとしたことでも怒りやすくなる、気が散ってしまって集中することができない等の症状が出ることがあります。

このような、外見からは分からない、その人が今まで不通にできていたことがうまくできなくなってしまうのが、高次脳機能障害です。

高次脳機能障害は、脳損傷直後の症状が最も重く、その後、少しずつ改善していきます。

しかし全快というのは難しく、あるところから回復が鈍ってきます。

外見上は事故前と変わらないのに、少し様子が違ってしまっていることに、 家族や周りの人は戸惑うことも多いのですが、ご本人はそのことに気付いていないことも多く、トラブルの元となります。

高次脳機能障害の症状

高次脳機能障害の代表的な症状としては、次のようなものがあります。

この中のいずれかひとつだけ該当するという人もいれば、複数該当するという人もいます。

1.記憶障害

新しいことを覚えられない、覚えたとしてもすぐに忘れてしまう状態です。高次脳機能障害の中で最も多く生じる症状です。

自分のいる場所が分からなくなり、迷子になってしまうこともあります。

2.注意障害

ぼんやりとして、物事に自分から関心を示さない状態です。仕事や作業をしている時も気が散りやすく、簡単なミスをしがちです。

3.失語症

失語症は「話す」「聞く」「読む」「書く」などの言語機能の障害です。具体的には、言いたいことと違うことを言ってしまう、意味不明な言葉を言ってしまう、聞き間違いや書き間違いが多いなどの症状があります。

4.失行

他人から指示された内容を正しく理解し、体は問題なく動くのにもかかわらず、簡単な動作をこなせなくなる状態です。手を挙げて振る、などの簡単な動作を支持されても、手を挙げるだけでいたりします。

また、道具の使い方を正しく理解しているのに、その通りに使うことができなかったりします。例えばスプーンを見て、食事をするためのものだと分かっているにも関わらず、鉛筆のように文字を書くために使おうとしてしまったりします。

5.失認

視覚や聴覚、触覚などの感覚を通じて物を認知することが難しい状態です。物だけでなく、よく見知った人の顔なども認知できなくなったりします。

6.半側空間無視

大脳の半分が傷つくことで生じます。

多くの場合、右半球が傷ついた結果、左側にあるものに気付くことができなくなります。

具体的には、食事中に左側に置いてあるおかずに気付かず、完食したつもりでいたりします。

また、自分の左側にいる人にぶつかってしまったりします。

7.遂行機能障害

物事をスムーズにこなしたり、自分で計画を立てることが困難な状態です。

8.脱抑制

以前に比べて怒りやすくなったり泣きやすくなったりし、感情的に不安定な状態になる症状です。些細なことで怒り出し、暴力を振るう場合などもあります。

高次脳機能障害のリハビリ

高次脳機能障害の患者さんは、事故前には何の不自由もなくできていたことが出来なくなってしまいます。

例えば、簡単なことが覚えられず、覚えてもすぐに忘れてしまったり。

自分の思っていることを上手に話したり、書いたりできなくなったり。

また、集中力が続かず疲れやすくなり、ちょっとしたことでもすぐにイライラして感情をおさえられなくなったりもします。

そこで、少しでも事故前の自分を取り戻すために、リハビリが大切になってきます。リハビリというと、骨折後の患者さんが病院やリハビリセンターで歩く練習をしているシーンが目に浮かぶかもしれません。

しかし高次脳機能障害のリハビリは、普段の生活の中で日常を取り戻していくことなのです。

自分に出来ることは何なのかを見つめ、そこを伸ばしていくことで、出来ることの幅が広がっていき、社会に再び溶け込んでいくことができます。

電話:0533-83-6612 (初回相談無料です)

担当:社会保険労務士 宮本 麻由美

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頭部外傷について解説してみました

どうぞご参照ください。

脳の構造

脳は、大脳、小脳、脳幹、間脳で成り立ちます。

大脳の表面の皮を大脳皮質といい、神経細胞が多く集まっています。

大脳皮質よりもう少し深いところに、神経細胞の束があります。

脳は全体を膜で覆われており、内側から順に、脳軟膜、脳くも膜、脳硬膜といいます。

頭部外傷の種類

頭部外傷は、頭蓋骨損傷、局所性脳損傷、びまん性脳損傷がありますが、中でも脳自体を損傷するのは局所性脳損傷とびまん性脳損傷です。

局所性脳損傷は、交通事故などで脳の一部にまっすぐな外力が加わることで生じることがあります。

損傷により急性硬膜外血腫という血腫が生じると、大脳の下にある脳幹部が圧迫され、脳ヘルニアの危険があります。

私の母は、自転車に乗って横断報道を青で渡っている時に、右折の車と衝突して「脳ヘルニア」になって翌日亡くなってしまいました。

びまん性脳損傷は、交通事故などで脳に回転するような外力が加わることで生じることがあります。

脳の表面というより、もっと深い部分が損傷を受けます。そのため、CT等で検査をしても異常を見つけにくいことがあります。

異常が見つからないが症状がある、というような場合はびまん性脳損傷である可能性があります。

頭部外傷

頭に直接的、または間接的に外力が加わって生じる頭部の外傷を、すべてまとめて頭部外傷といいます。

損傷した部分が頭皮だろうと、脳神経だろうと、頭蓋骨だろうと、血管だろうと、すべてを頭部外傷と呼んでいます。

損傷した部位や程度により、具体的な疾患名がつけられます。

脳損傷による高次脳機能障害

高次脳機能障害は脳の損傷部位によって症状が異なります。

両側前頭葉眼窩面、両側側頭葉内側面・・・遂行機能障害、注意障害、記憶障害

左前頭葉、左側頭葉、中脳・・・記憶障害、意味記憶の障害、左動眼神経麻痺、固有名詞失名辞、読み書きの障害

頭部外傷の一次性損傷・二次性損傷

頭部外傷により生じる損傷は、外力が頭部に伝わったときに生じる一次性損傷と、その後生じる二次性損傷があります。

例えば、外傷により頭皮が傷ついたり、頭蓋骨が折れたりしたような場合は一次性損傷です。

骨折により出血し、出血のために脳虚血になった場合、血腫が神経を圧迫している場合などは二次性損傷です。

開放性損傷と閉鎖性損傷

頭部外傷による損傷は、損傷が開放されているか閉鎖されているかによっても分類されます。

例えば、頭部を鈍器で殴られて頭皮が切れたり、頭蓋骨が折れて頭皮を突き破っているようなものは開放性損傷です。

交通事故などで頭部に衝撃が伝わり、外見上は血も出ていないし、何ともないように見えても、実は頭部内に損傷を負っているという場合は閉鎖性損傷です。

頭蓋底骨折

頭蓋底とは、頭蓋骨と脳の下にあるもので、厚みがバラバラなのでボコボコしています。また、たくさんの孔があります。

この孔を神経や血管が通っており、とても複雑なつくりになっています。

孔がたくさんあるために、ちょっとした外力でも折れやすいという特徴があります。

頭蓋底は頭の内部にあるため、外からの見た目では骨折しているかどうかが分かりません。

X線撮影やCTを使っても骨折を確認することは難しいといわれています。

そのため、頭蓋底が折れた場合に現れる髄液漏という現象をもって頭蓋底骨折と診断されています。

髄液漏とは、頭蓋内にある透明のサラッとした液体で、頭蓋底が折れていると折れているところから鼻や耳を伝わって漏れてきます。

鼻血と混じっている場合は血の赤い色が邪魔をして分かりにくいので、血がサラッとしているかどうかや、検査により髄液の成分が検出されたかどうかなどにより判断します。

前頭蓋底骨折

前頭蓋底骨折とは、頭蓋底の前方(眉の辺り)の骨折です。

次のような症状が現れます。

1.髄液鼻漏
透明のサラッとした液体が鼻を伝わって漏れてきます。

2.皮下出血
皮下出血をしていると、目の周りが黒っぽくなります。

3.気脳症
頭蓋底の折れたところから頭蓋内に空気が入ることがあり、これを気脳症といいます。

CTを使って頭蓋内に空気が入っているかどうかを確認することができます。

頭蓋内に空気が入りすぎると、脳が圧迫され、危険な状態になります。

4.神経麻痺
脳にある神経が麻痺することがあります。これにより、嗅覚や視覚に障害が現れます。

5.視神経管骨折
視神経管を骨折することがあります。

CTを使っても骨折を確認することは難しく、患者さんの症状を見て判断することになります。

骨折している場合、瞳孔の直接対光反射が失われます。

中頭蓋底骨折

中頭蓋底骨折の場合、次のような症状が現れます。

1.髄液耳漏
透明のサラッとした液体が耳を伝わって漏れてきます。

2.皮下出血
皮下出血をしていると、耳の後ろが黒っぽくなります。

3.神経麻痺
椎体骨が折れると、顔面や耳の神経が麻痺することがあります。

眼窩部の骨折

眼窩とは、眼のくぼみのことです。

このくぼみに眼球が収まっています。

顔(特に眼の近く)に物が当たったりすると、眼窩部を骨折してしまうことがあります。

眼窩部には眼筋や神経があるため、眼筋の麻痺や眼球運動に障害が生じます。

また、副鼻腔に傷が入ることもあり、血混じりの鼻水が出ることもあります。

このような場合は鼻をかむと副鼻腔から眼窩へ空気が入るおそれがあるため、鼻をかまないようにしましょう。

病院ではCTやMRIを使って骨折の状態を確認し、手術をするかどうか判断します。

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