派遣先による事前面接や派遣先への履歴書の送付の要請といった派遣労働者を特定することを目的とする行為については禁止されています(紹介予定派遣である場合を除きます。)。
派遣先による派遣労働者を特定することを目的とする行為((紹介予定派遣である場合を除きます。)以下同じ。)が禁止されているだけでなく、派遣元事業主が派遣先からのこれらの要請に協力することも禁止されています。
派遣法第26条6項:
労働者派遣(紹介予定派遣を除く。)の役務の提供を受けようとする者は、労働者派遣契約の締結に際し、当該労働者派遣契約に基づく労働者派遣に係る派遣労働者を特定することを目的とする行為をしないように努めなければならない。
派遣労働者を特定することを目的とする行為の禁止(「派遣先の講ずべき措置に関する指針」第 2 の 3)
派遣先は、紹介予定派遣の場合を除き、派遣元事業主が当該派遣先の指揮命令の下に就業させようとする労働者について、労働者派遣に先立って面接すること、派遣先に対して当該労働者に係る履歴書を送付させることのほか、若年者に限ることとすること等派遣労働者を特定することを目的とする行為を行わないこと。
なお、派遣労働者又は派遣労働者となろうとする者が、自らの判断の下に派遣就業開始前の事業所訪問若しくは履歴書の送付又は派遣就業期間中の履歴書の送付を行うことは、派遣先によって派遣労働者を特定することを目的とする行為が行われたことには該当せず、実施可能であるが、派遣先は、派遣元事業主又は派遣労働者若しくは派遣労働者となろうとする者に対してこれらの行為を求めないこととする等、派遣労働者を特定することを目的とする行為の禁止に触れないよう十分留意すること。
したがって、派遣元事業主に提出した履歴書が派遣先で労働者派遣契約締結前に回覧されているといった場合、これらの規定に違反することとなります。
派遣元事業主は派遣労働者の希望や能力に応じた就業の機会を確保する努力義務を負っていますので、派遣就業させるに当たって必要な能力の判定を行うことは問題ありません。
ただし、派遣元事業主は、労働者派遣に関し、その業務の目的の達成に必要な範囲内で労働者の個人情報を収集、保管及び使用し、並びに個人情報を適正に管理するために必要な措置を講じなければならないこととなっています。また、派遣元事業主、従業員等は正当な理由がある場合でなければ、その業務上知り得た秘密を他に漏らしてはならないこととなっています。
なお、労働者派遣事業制度の性質上、派遣元事業主が派遣先に提供することができる派遣労働者の個人情報は、派遣先に通知すべきこととなっている事項(法第35条)のほか、派遣労働者の業務遂行能力に関する情報に限られています。
派遣労働者又は派遣労働者となろうとする者が、派遣就業を行う派遣先として適当であるかどうかを確認する等のため自らの判断の下に派遣就業開始前の事業所訪問や履歴書の送付を行うことは、派遣先によって派遣労働者を特定することを目的とする行為が行われたことには該当せず、行うことができます。
ただし、派遣元事業主及び派遣先が、派遣労働者又は派遣労働者になろうとする者に対してこれらの行為を強要することは禁止されています。
派遣先による派遣労働者を特定することを目的とする行為は認められておらず、また、派遣元事業主が派遣先によるそのような行為に協力することも認められていません。この「特定」とは、事前面接や履歴書の事前送付などにより個人を特定することのほか、若年者に限る、特定の性別に限るなど派遣労働者の業務遂行能力にかかわりのない属性を特定することも含みます。
労働者派遣契約に派遣労働者の性別を定めておくことも認められていません。
派遣元事業主は派遣就業するに際して、派遣労働者に派遣先での就業条件及び派遣受入期間の制限に抵触する日を書面で明示することとなっています。
就業条件及び派遣受入期間の制限に抵触する日の明示は、労働者派遣に際し、あらかじめ書面で行われることとなっていますが、緊急の必要があるため書面による交付ができない場合、書面以外の方法によることもあります。
ただし、派遣労働者が請求した場合や、派遣期間が1週間以上に及ぶ場合の派遣就業開始後に、書面で交付されることとなっています。
就業条件及び派遣受入期間の制限に抵触する日の明示に際しては、モデル就業条件明示書を使用するよう派遣元事業主に対し周知徹底しています。
派遣元事業主は派遣就業するに際して、派遣労働者に派遣先での就業条件及び派遣受入期間の制限に抵触する日を書面で明示することとなっています。
就業条件及び派遣受入期間の制限に抵触する日について派遣就業の前に書面で派遣元事業主から明示がありましたか?
就業条件及び派遣受入期間の制限に抵触する日の明示は、労働者派遣に際し、あらかじめ書面で行われることとなっていますが、緊急の必要があるため書面による交付ができない場合、書面以外の方法によることもあります。
ただし、派遣労働者が請求した場合や、派遣期間が1週間以上に及ぶ場合の派遣就業開始後に、書面で交付されることとなっています。
就業条件及び派遣受入期間の制限に抵触する日の明示に際しては、モデル就業条件明示書を使用するよう派遣元事業主に対し周知徹底しています。
派遣先は、次のイからホまでの場合を除いて、派遣先の事業所その他派遣就業の場所ごとの同一の業務について、派遣元事業主から派遣可能期間(派遣先の労働者の過半数を代表する者等の意見聴取を経て3年以内の派遣受入期間が定められている場合は、その定められた期間、それ以外の場合は1年)を超える期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けてはならないことになっています(以下「派遣受入期間の制限」といいます。)。
イ 専門的な知識、技術又は経験を必要とする業務又は特別の雇用管理を行う必要があると認められる業務であって、その業務に係る労働者派遣が労働者の職業生活の全期間にわたるその能力の有効な発揮及び雇用の安定に資すると認められる雇用慣行を損なわないと認められるものとして、政令で定める業務。
なお、これら政令で定める業務の一部については、労働者派遣契約に定める派遣契約期間の制限があります。
ロ 事業の開始、転換、拡大、縮小又は廃止のための業務であって一定の期間内(3年以内)に完了することが見込まれるもの(「有期プロジェクト業務」)
ハ その業務が1か月間に行われる日数が、その派遣就業に係る派遣先に雇用される通常の労働者(原則として正規の従業員)の1か月間の所定労働日数に比し相当程度少なく(半分以下)、かつ、月10日以下である業務(「日数限定業務」)
ニ 派遣先の労働者が産前産後休業、育児休業、産前休業に先行し、又は産後休業若しくは育児休業に後続する休業であって、母性保護又は子の養育をするための休業をする場合のその労働者の業務
ホ 派遣先の労働者が介護休業及び介護休業に後続する休業であって、対象家族を介護するための休業をする場合のその労働者の業務
イからホまでの場合の派遣受入期間の制限を受けない業務の実施に伴い、付随的にイからホ以外の派遣受入期間の制限のある業務を併せて行う場合(いわゆる「複合業務」)であって、かつ、派遣受入期間の制限のある業務の割合が通常の場合の1日当たり又は1週間当たりの就業時間数で1割以下の場合には、全体として派遣受入期間の制限を受けない業務として取り扱うことができます。
なお、この場合には、労働者派遣契約において、それぞれの業務の内容及びそれぞれの業務の通常の場合の1日当たり又は1週間当たりの就業時間数又はその割合を定めることが必要です。
また、派遣先は上記の制限を遵守するため就業時間の管理を的確に行う必要があります。
派遣受入期間の制限の規定の適用に当たっては、「同一の業務」とは、労働者派遣契約を更新して引き続き同じ業務を行う場合のほか、派遣先における組織の最小単位において行われる業務も同一の業務であるとみなします。
この場合の「組織の最小単位」とは業務の内容について指示を行う権限を有する者とその者の指揮を受けて業務を遂行する者とのまとまりの最小単位のものをいい、係や班、課、グループ等が該当します。
また、派遣先が新たな労働者派遣を受ける場合に、その直前の労働者派遣との間が3か月を超えないときは継続しているとみなされます。
したがって、この場合の労働者派遣を受けていると判断される期間は、最初の労働者派遣の開始日から最後の労働者派遣の最終日までです。
派遣受入期間に抵触する日は、派遣就業開始前に派遣元事業主から書面により明示されることとなっていますが、労働者派遣契約の締結後に、派遣先において派遣受入期間の制限に抵触する日が変更された場合は、派遣元事業主から変更された抵触日が書面により明示されることとなっています。
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