平成27年改正労働者派遣法に関するQ&A_派遣ナビ

期間制限関係Q&A

期間制限関係
Q1: 小規模事業所のため、課やグループといった明確な組織が存在しない場合であって、事業所の長の下に複数の担当がおり、当該担当それぞれが課やグループに準じた組織機能(会計担当、渉外担当等)を有している場合、当該担当を組織単位として認めることは可能か。

A1: 当該担当が業務の配分や労務管理上の指揮監督権限を有していれば、小規模事業所において、組織単位と当該担当(組織の最小単位)が一致する場合もある(派遣先の講ずべき措置に関する指針第2の14(2))。

Q2: 事業所単位の期間制限を延長するため、過半数労働組合等に意見聴取する場合、抵触日の1か月前の日までに行うこととしているが、いつから実施できるのか。

A2: 意見聴取は、意見聴取期間(労働者派遣の役務の提供が開始された日から事業所単位の抵触日の1か月前まで)内であればいつでも可能であるが、事業所単位の期間制限が常用代替防止を図る趣旨であることを踏まえれば、労働者派遣の役務の提供の受入開始に接近した時点よりも、常用代替防止が生じているかを判断するために適切な時期に行われることが望ましい。

※常用代替防止とは、正社員の仕事を奪わないようにするためのことです。

Q3: 期間制限の延長手続について、延長した期間の始期が到来する前に、更に次の期間制限の延長手続を行うことは可能か。

<例> 平成27年10月1日~平成30年9月30日が当初の派遣可能期間であった場合で、 派遣可能期間を平成30年10月1日~平成33年9月30日に延長するために、平成29年4月に意見聴取した後、更に、平成33年10月1日~平成36年9月30日に延長するために、平成30年4月に意見聴取を行う場合。

A3: 労働者派遣法第40条の2第3項により、「意見聴取期間」は、労働者派遣の役務の提供が開始された日(延長した場合は延長前の派遣可能期間が経過した日)から、抵触日の1か月前までの間となっているため、延長した期間の始期が到来する前に、次の期間制限の延長を行うことはできない。

その都度行わないといけないという意味です。

Q6:派遣先の事業所単位の期間制限について、「事業所」とは、雇用保険の適用事業所と同一であるというが、労働基準関係法令の「事業場」との関係如何。

A6:雇用保険法における事業所の判断は、原則として次のいずれにも該当する場合に「事業所」として判断している。

1 場所的に他の(主たる)事業所から独立していること。

2 経営(又は業務)単位としてある程度の独立性を有すること。

すなわち、人事、経理、経営(又は業務)上の指導監督、労働の態様等においてある程度の独立性を有すること。

3 一定期間継続し、施設としての持続性を有すること。

また、その判断に当たっては「(雇用保険の)事業所の単位と(労働保険)徴収法施行規則上の事業場の単位(徴収法による適用徴収事務の処理単位)は、原則として一致すべきものであるから、一の事業所と認められるか否かの判断に当たっては、徴収法施行規則上の事業場の単位との関連について十分留意する必要がある。」(業務取扱要領(雇用保険適用関係)22002(2))としている。

ただし、例えば、労働安全衛生法では同一の場所にあっても、著しく労働の態様を異にする部門がある場合には、その部門を主たる部門から切り離して別個の事業場としてとらえる場合もあるなど、各法令により事業場と事業所に係る判断が異なる場合もある。

Q7:派遣先の事業所単位の期間制限について、この「事業所」とは、雇用保険の適用事業所に関する考え方と基本的に同一であるというが、雇用保険の非該当承認を受けている事業所の扱い如何。

A7:雇用保険での事業所非該当承認を受けているということは、一の事業所としての独立性を有していないことを派遣先自ら認めていることを意味するため、原則、新法の期間制限を受ける事業所単位の事業所としては認められない。

こうした一の事業所としての独立性がないものについては、直近上位の組織に包括して全体を一の事業所として取り扱うこととなる。

Q8:雇用保険の適用事業所とはなっているが、現在はパートタイム労働者が1~2名といった事業所についても事業所単位の期間制限に係る「事業所」となるのか。

A8:パートタイム労働者が数名しかいない事業所であっても、雇用保険の適用事業所である限り、事業所単位の期間制限に係る「事業所」と判断することになる(もし、事業所として独立性を有していないということであれば、非該当承認の申請をして、直近上位の組織に包括して全体を一の事業所として取り扱うこととする手続を行う必要がある。)。

Q9:有期雇用と無期雇用の派遣労働者を受け入れていた派遣先において、途中から無期雇用の派遣労働者のみになり、最後の有期雇用の派遣労働者の派遣終了から3か月を超える期間が経過した場合、事業所単位の期間制限が引き続いていないものとみなして良いか。

A9:期間制限は法第40条の2第1項各号以外の労働者派遣に適用される。

有期雇用と無期雇用の派遣労働者が混在している事業所において、無期雇用の派遣労働者のみになった場合、有期雇用の派遣労働者の労働者派遣の終了後3か月を超えた時点で、当該終了した有期雇用の派遣労働者の労働者派遣は、その後受け入れる労働者派遣と継続しているとはみなさないこととなる。

Q10:事業所の長がある課の長も兼任していた場合は、事業所がひとつの組織単位と解釈されるのか。

A10:業務としての類似性や関連性がある組織であるか、組織の長が業務配分や労務管理上の指揮監督権限を有するものであるか等、実態により判断した結果、事業所と組織単位が一致することはあり得る。事業所の長が課の長を兼任しているという事実だけでは、判断できない。

Q11:個人単位の期間制限について、3年未満の期間を設定し、就業条件明示書に明示しても構わないか。

A11:企業が独自に3年未満で派遣期間の上限(法律上の期間制限とは別のもの)を定めることは否定しないが、労働者派遣法で定める期間制限の抵触日ではないため、同法において抵触日の記載が求められる書類(就業条件明示書)には、3年後の抵触日を併せて記載する必要がある。

ただし、雇用安定措置の適用を避けるために、業務上の必要性等なく同一の組織単位の業務について継続して労働者派遣に係る労働に従事する期間を3年未満とすることは、法の趣旨に反する脱法的な運用であって、義務違反と同視できるものであり、厳に避けるべきものである(派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針第2の8(2)イ)。

Q12:派遣契約期間の途中で派遣労働者が交代した場合、個人単位の期間制限は事業所単位の期間制限の抵触日にかかわらず3年となるのか。それとも事業所単位の期間制限の抵触日を超えない範囲内で設定するのか。

A12:  個人単位の期間制限は、事業所単位の期間制限の抵触日にかかわらず、当該派遣労働者の就業開始日から3年である。

ただし、この場合は、事業所単位の期間制限の延長がなされなければ、事業所単位の期間制限の抵触日までしか当該派遣労働者を受け入れることはできない。

Q13:期間制限のない産休代替等の業務について、有期雇用の派遣労働者を3年間派遣し、当該派遣終了後、当該業務を行った同一の組織単位の他の業務へ有期雇用の派遣労働者として再度派遣することは可能か。

A13: 事業所単位及び個人単位の期間制限の対象外である労働者派遣の終了後、引き続き同一の派遣労働者を同一の組織単位の期間制限を受ける他の業務へ派遣することは可能であるが、特定目的行為とならないよう留意すること。

Q14:同一の企業の複数の事業所で労働者派遣を受け入れている場合、各事業所の抵触日を揃えることはできるか。

A14:企業が独自に3年未満で派遣期間の上限(法律上の期間制限とは別のもの)を定めることは否定しないが、それは当該企業のみのルールであり、労働者派遣法で定める期間制限(3年)による抵触日とは異なる。

よって、派遣元への抵触日通知等、法で求められる行為については、法の規定に則した期間制限による抵触日を記載する必要がある。

なお、独自に派遣期間の上限を定めたとしても3年を超える期間の設定ができないのはいうまでもない。

法の期間制限の抵触日を迎える複数の事業所が、延長期間を調整して、いわゆる2度目の抵触日を揃えることは可能(問15参照)。

Q15:同一の企業の複数の事業所で労働者派遣を受け入れている場合に、各事業所で初回の期間制限の延長を行う際に延長期間を調整し、2回目の抵触日が各事業所で同一の日となるようにすることは可能か。

A15:事業所単位の期間制限の延長は3年以内であれば任意のため、期間制限の延長期間を調整して、事業所の抵触日を揃えることは可能である。

Q16:無期雇用派遣の場合について、派遣先から派遣元に対する抵触日通知は必要か。また、派遣先の事業所の期間制限が延長された場合、無期雇用派遣労働者のみを派遣している派遣元事業所に対しても通知する必要があるのか。

A16:無期雇用派遣に限ることを前提に労働者派遣契約を締結することを予定している場合については、当該派遣元に対する抵触日通知は不要である。

ただし、無期雇用派遣を前提に労働者派遣契約の締結を予定していたため、抵触日通知を省略したまま、結果として、有期雇用派遣労働者が派遣された場合は法違反となるので注意すること。

Q17:一の派遣先から、事業所単位の抵触日通知を既に受けている場合について、同一の派遣先に対して同一の派遣元が、派遣可能期間内に、異なる個別契約に基づき新たな労働者派遣を行う場合、改めて抵触日通知を受ける必要があるか。

A17:派遣先が派遣元に抵触日通知を行うのは、派遣可能期間の認識共有を図るためである。労働者派遣契約の契約期間中に、新規の労働者派遣契約に基づく派遣を受け入れ、かつ当該期間中に受け入れを終了する場合は、抵触日が変わらないことが明らかであるため、派遣先は、派遣元への抵触日通知を省略することは差し支えない。

Q18:事業主と派遣労働者のみで構成されている事業所の場合、期間制限を延長するための意見聴取の手続如何。

A18:事業主と派遣労働者のみで構成されている事業所の場合は、意見聴取が行えないことから期間制限の延長はできない(使用者のため、労働者派遣法施行規則第33条の3第2項但書の適用すら受けない)。

なお、事業所が経営の単位として人事、経理、指導監督、労働の態様等においてある程度の独立性を有すること等を要しているため、管理監督者1名と派遣労働者のみで構成されている事業所については、1事業所として判断されることは稀であると考えられるが、仮にそのような事業所が存在した場合は、労働者派遣法施行規則第33条の3第2項但書を適用し、当該管理監督者に意見聴取を行えばよい。

Q19:事業所の過半数労働組合等に派遣可能期間の延長に係る意見聴取を行う場合について、雇用保険の非該当承認を受けている事業所で派遣労働者が就労しているにも関わらず、当該非該当承認事業所の労働組合等ではなく、当該非該当承認事業所を包含する事業所の労働組合等に対して意見聴取を行うことは適法か。

また意見聴取を行った事業所の労働組合等に非該当承認事業所の労働者が入っていなかったとしても問題はないのか。

A19:事業所単位の期間制限の延長に必要な意見聴取は、事業所単位で行う必要があるため、当該非該当承認事業所の労働組合が、非該当承認事業所を包括する事業所の過半数労働組合に該当しない場合は、当該労働組合は意見聴取の対象とならず、非該当承認事業所を包含する事業所の過半数労働組合等に対して意見聴取を行う必要がある。

この場合において、意見聴取先の過半数労働組合等に労働者派遣の役務の提供を受けている雇用保険の非該当承認事業所の労働者が含まれていないケースも考えられるが、法の趣旨に照らし、非該当承認を受けている事業所の従業員の意見を尊重する等必要な配慮を行うことが望まれる。

Q20:期間制限の延長手続きについて、同一期間の延長に係る意見聴取を複数回行った場合は、どの意見聴取手続が有効となるのか。

A20:複数回意見聴取をした場合、当該意見聴取が法令に則っていることを前提とすると、最後のものが有効と考えられる。

Q21:派遣先の事業所において、抵触日の1か月前までの間に意見聴取をしていなかった場合は、派遣可能期間の延長は認められず、再度の派遣の受入れは、3か月を超える期間経過後となるのか。また、この場合は、労働契約申込みみなし制度の対象となり得るのか。

A21:抵触日の1か月前までに過半数労働組合等に対して、延長の意見聴取を行っていなければ、派遣可能期間の延長は認められず、もし、再度の派遣の受入れが必要であれば3か月を超える期間経過後となる。また、抵触日の1か月前までに意見聴取をしないまま、抵触日以後派遣の受入れを続けると期間制限違反となり、労働契約申込みみなし制度の対象となる。

しかし、過半数労働組合等のやむを得ない事情により、抵触日の1か月前までに予定していた意見聴取が1か月前の日を経過してしまった場合や、過半数労働組合等が派遣先の意見聴取を拒否した場合(当該行為が客観的に認められるときに限る。)であって、派遣先が適切な手続に則って意見聴取しようと働きかけたと客観的に認められる場合は、意見聴取義務違反にはならない(派遣の受入れを続けることが可能であり、労働契約申込みみなし制度の対象とならないと考えられる。)。

ただし、過半数労働組合等が意見の取りまとめに要する期間を確認する等十分な考慮期間を設けること。

平成27年9月30日施行の改正労働者派遣法に関するQ&A(厚生労働省)より引用

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