25歳の女性ですが、今いる会社から転職を考えています。
今は、正社員で働いていますが、今度は派遣で働こうと思っていますが、長期間働けますか?
できれば3年ぐらい働けたらいいなと思っています。
派遣先の都合で6か月とか1年とかの契約になってしまうのでしょうか?
派遣先の会社が、短期(3か月)で契約を言ってくることもあるので、長期間働けることは約束できません。
短期の契約を何回も更新するというパターンが多いと思ってください。
そのことを前提に派遣社員(スタッフ)になることを決めないといけないですね。
次の派遣先の会社が決まれば、次の会社に移っていくことが派遣での働き方となります。
短期の契約を何回も更新する形もあれば、短期の契約でつぎつぎと派遣先の会社を移っていくということもあります。
派遣先の会社も、例えば育児休業で休んでいる方の代替要員で派遣を受け入れるのであれば、1年とか2年の契約もあるかもしれません。
育児休業も1歳までが原則ですが、保育所の入所が拒まれた書類があれば1歳6か月、また1歳6か月時点で保育所の入所が拒まれた書類があれば2歳まで育児休業給付金が雇用保険から給付されます。
育児休業で休んでいる方が職場復帰すれば、あなたは契約満了となります。
また、育児休業の代替要員なので、その休む方の仕事をやっていく必要があります。
その仕事が完全と言わないまでも、ある程度できるレベルのスキルが求められます。
派遣社員(スタッフ)といえども、常々のスキルアップが必要となっています。
毎日毎日の仕事をきっちりこなしながら、事務系の仕事であれば、パソコンスキルも上げていく必要があります。
今のうちからパソコンの本を購入して勉強したり、街のパソコンスクールに通って身銭を切って勉強をしていきましょう。
特に事務系のパソコンスキルはとても重要です。
派遣会社も大手の会社では、教育訓練に力をいれているところがあります。
派遣契約が切れて、次の派遣先が決まるまでパソコンの研修を受けれる派遣会社もあります。
そのような時は、集中的に研修を受けて、スキルアップを図るチャンスです。
事務系の仕事では、エクセルのスキルが重宝されます。
教育訓練を重点的にやってくれる派遣会社を選ぶのも、あなたのスキルアップにとっても大事な視点となります。
派遣会社のホームページを見て、教育訓練のメニューなども確認してみましょう。
そういう意味では、正社員の会社で働くよりも、スキルアップが絶対に欠かせない派遣会社で働く方が、よりあなたがレベルアップできる環境にあるのかもしれません。
派遣期間が短期であっても、都会であれば派遣先の会社は豊富にあるので、次の派遣先は比較的早く決まります。
そのためには、あなた自身がスキルアップする必要があります。
それと同時に、同じ職場で働く人達との協調性が取れるかどうかも大事な点となってきます。
事務系のスキルアップを図りながら、職場の同僚(そこの会社の正社員もいれば、他社から派遣された派遣社員もいると思いますが)との協調性がうまく取れる人は、派遣期間満了の時に派遣先の会社の社員になる機会も与えられる可能性があります。
いずれにしても派遣先の正社員と一緒に働くことになりますが、その人達と比べることはせず、くさることもなく頑張って働いてください。
派遣先の会社をいくつか経験することによって、それぞれの会社の仕事のやり方のノウハウも身についていきます。
ひとつの会社にいる人よりも、いろいろな経験が積めるのが派遣社員の強みです。
それがあなたの職業人生でいつか役立つ時が来ますので、毎日毎日の業務をしっかりこなしていきましょう。
平成30年の労働者派遣法改正により(令和2年4月1日施行)、派遣労働者の同一労働同一賃金によって、「派遣先均等・均衡方式」または「労使協定方式」が取り入れられました。
派遣先の労働者との待遇に関する派遣労働者の納得感を考慮するため、どちらかの方式によって、同一労働同一賃金を目指そうということになりました。
厚生労働省が令和3年12月24日の労働政策審議会に報告した報告書によりますと、令和3年度は88.2%の派遣会社が「労使協定方式」を採用していることが分かりました。
労使協定方式だと、入社時、1年、2年、3年、5年、10年、20年の時間給を労使協定で決定していきます。
その派遣会社で勤務していると、時間給が毎年上昇していく仕組みとなっていますが、派遣先の会社にとっては、同じ仕事をしてもらうのになるべく安い派遣料金の人を求めるようになってきています。
いつまでも同じ派遣会社にいると時間給は上昇していきますが、あなたを受け入れてくれる派遣先の会社が減っていってしまうことになります。
それならばということで、派遣会社を変われば、入社時の時間給で査定されてしまうことになります。
労使協定方式も製造派遣ならばある程度対応できると思いますが、それ以外の派遣(特に事務系)の場合は、そのままいれば派遣先が減っていってしまい、他社に移れば、時間給が下がってしまうという「派遣ループ」に陥ってしまいます。
このような派遣ループから抜け出して、紹介予定派遣を探して正社員への道を目指していきましょう。
それと同時並行で、派遣で働いている間に、転職活動を進めてください。
転職サイトに登録したり、転職エージェントに登録したりして、とらばーゆしていきましょう。
同一労働同一賃金の「労使協定方式」は、派遣ループに陥りやすいので、正社員雇用の道を探していきましょう。
結論としては、派遣で長期間働くことは難しいです。
長期間働くには、やはり正社員の道を探した方がいいと思います。
文責 社会保険労務士 松井 宝史 2022.12.14
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