遺産相続とは
文責 FP2級技能士 松井 宝史 2021.05.05
遺産分割協議と特別受益
両親のどちらかが先に亡くなり、残った親と子供が相続人のときには、比較的もめずに遺産分割協議が成立します。子供は、親の老後の生活に配慮する気持ちがあります。
また、相続税の軽減規定のうち、亡くなった日から10ヶ月以内に遺産分割協議を成立させて、申告書を提出しないと適用できない「配偶者の税額軽減」や「小規模宅地等の特例」の規定の影響も大きいといえます。
特に、親が相続した財産に「配偶者の税額軽減」が使えないとなると、税金がほぼ倍になります。この規定が、最終的には全員合意に至るための重要な役割を果たしています。
相続税のかからない財産しかない家庭の場合、この規定は役に立ちません。さらに、両親が共に亡くなり、子供たちだけになると、親という心理的な重しがなくなります。お互いの利害関係が真っ向から対立し、歯止めがきかなくなるのです。
また、生前に他の兄弟だけが、親から多額の援助を受けている場合、亡くなったときに残っている財産だけを均等に分けようと言われたら、不公平だと思います。
相続財産をすべて現金にして、相続人同士で1円単位まできっちり分けたとしても、完全に公平にはなりません。遺産分割に際し、生前の贈与を考慮する「特別受益」とよばれる制度があるからです。
遺産分割
特別受益
相続財産の価格
相続人の配偶者
持戻しの免除記載の遺言書
特別受益と遺留分減殺請求との関係
FP松井宝史